ilyaのノート

いつかどこかでだれかのために。

作業ノート4

▽作業ノート。ポット苗植栽。


▼スギポット苗の実用化に向けて/宮崎県林業技術センター http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/kankyo/shinrin/mfc/lib/rm0109i.html
「○ポット苗の問題点は?/ スギポット苗を山に植える場合いくつかの問題点があります。/ まず、根巻きの問題です。現在良く使われている鉢形のポット苗は、ポットの中で根が巻いて形成されます。根を巻いたままの植栽が樹木の成長にどう影響するかは三股試験地の今後の経過をみないと分かりません。しかし、根がまっすぐ広範囲に伸びる苗木の方が成長に有利である事は間違いありません。/ また、裸苗と比べると重くてかさばるため植付コストが上がる点や、生産費がかかるため苗木の単価が高くなる点も不利な点です。/ ○紙製ポット苗の研究/ これらの問題点を解決するため当センターでは紙製ポット苗の研究を行っています。/ 紙製ポットは、鉢形のポリ製ポットと違い、ポットの底がふさがっていないため育苗中に底から根が出てきます。根は空気に触れると成長が止まり、ポットの中の新しい根が伸びるので、根が巻くことは少ないと考えています。/ また、従来のポットより容積が小さく形も細長いため植えやすいとみています。さらに、紙製ポット苗は、ポットごと植えると紙が土中で腐るため、ポットを外して回収する必要がなく、植付コストの低減につながります。/ しかし、まだ、育苗方法が課題となっており、コストをなるべく抑え、良質の苗を安定して生産する方法の検討が必要です。この課題を早く解決し、実用化にメドをつけたいと考えております。」
▽「カミネッコン」。再生段ボールによる紙ポット。
▼鬼蜘蛛おばさんの疑問箱:カミネッコンへの疑問〔2009年09月24日〕 http://onigumo.sapolog.com/e75433.html
▼鬼蜘蛛おばさんの疑問箱:無惨な「カミポットくん」植樹地〔2009年09月25日〕 http://onigumo.sapolog.com/e75434.html


島牧村での「ポット苗づくり」活動報告〔2010/1/23〕 - 寿都・島牧・せたな・それから http://blogs.yahoo.co.jp/konohi55/7720778.html
「千年の森のポット苗づくりについて ・・・・個人的見解」「現状について/ (1)ミズナラの苗は供給過剰になるのでは?/ 朝里地区での植樹祭規模を想定してもミズナラ苗の必要量はせいぜい3,000本で充分。住吉神社での植樹祭規模なら1,000本もあれば間に合うのではないか。2〜3年分の在庫は持つとしても、毎年万単位でのミズナラ単品でのポット苗づくりは不必要ではないか。/ 現在作っているミズナラについて、昨年はネズミなどの食害があったと聞いている。どのくらい育ち、どの程度、苗の在庫があるのかわからないが、実情にあった計画数量を出していくことが望ましいのではないかとも感じる。/ (2)「余分にできた苗は他に寄付すればいい」という発想について/ 以下の二点から、ある程度以上の寄贈は難しい。/ 1. 宮脇方式の苗では一般の植樹祭には向かない。 ⇒一般的な植樹祭で使う苗もう少し育ったものを使っている千年の森の苗では、さらに誰かが保管し、育てなければならない。/ 2. 宮脇方式で植樹するなら他の樹種も確保しなければならない。 ⇒千年の森でミズナラのみを寄付したとしても、他の樹種は購入しなければならない。タダであげると言っても多数の貰い手があるとは思えない。/ 「苗をあげるから宮脇方式の植樹祭をしてみたら?」という提案をしたいのなら、他の樹種の苗づくりもすべき。/ 上記二点を考慮すると、ミズナラにのみ重点を置いてポット苗づくりをしていくと数年後には過剰在庫を抱える可能性が出てくる。/ 理事さんたちが持ち帰り、それぞれ育てている苗にしても、過剰が考えられるミズナラのみにスペースを割くのではなく、他の樹種のポット苗づくりを模索していくような形に重点を移していくような姿勢も必要ではないかと考える。/ ドングリ拾いなど活動として有用ならば今後も継続してもいいとは思うが、ポット苗にしきれない余ったドングリは熊牧場などに寄付するなど、新たな活用先も考えてもいいように思える。/ 多品種の種について、もっと積極的に捜してもいいと感じる。」
▽――宮脇方式のポット苗は、一般的な植樹にもちいる苗よりも幼い状態で植えられる。(ポット苗使用による根茎発達への影響が小さい可能性?)


▼宮脇方式 - ブログ:樹木医的に”OK”でしょうか? http://d.hatena.ne.jp/joe-yan/20090131/1233404458#c1248266910
▽――コメント欄:
▽「アブラウリ 2009/07/19 22:45: 私も感覚的には、「同士」さん「まみ」さんの意見に近いのですが、宮脇さんの植栽の「成果宣伝」を聞くたびにこの施工に関する、非常に大量の苗木の流通とその供給源に興味があります。/いかに苗木でも植栽地に植栽するまでには、実生苗からなら数年は、「宮脇先生の規格」にあてはまるまで時間が必要ではないかと考えます。/植栽施工の決定から施工までは、そんなに時間をかけずに「発注」となるのでは・・・・、とすると宮脇先生の植栽木を供給・生産している業者(宮脇システムを専門にしている生産・流通に関わる人)が、存在しているとすると、巷間聞かれる植栽地域に、クレスチョンマークの苗木の導入のミスマッチ原因の一つではと考えますが。/ 樹木の苗木は、使用できるまでにモヤシ見たいに短時間では作成出来ないことは、自明のことですから。/ 植栽にしても治療にしても、「資材」の流通を担う「専門業者」が出現すると、面白い話が多くなるのでは・・・・」
▽「同志 2009/07/22 21:48: キックバックとか、いろいろ北のはてにいても耳にします。/ それを置いといて、満足できない方には自然配植技術をお薦めします。」


▼〈研究レポート〉造林、緑化におけるコンテナ苗の利用
 遠藤利明森林総研・生産技術部) http://segyo.ac.affrc.go.jp/news/NEWS9905/ENDO_REP.HTM
「木霊 (TARUSU) 森林施業研究会ニュ−ズ・レター  No.5 1999.5.15」「ブロック苗は、成型性のある、つまり、崩れにくい培地に育成して、根鉢を覆う容器を付けずに植栽するもので、我が国で用いられるポット苗や、熱帯・亜熱帯で用いられるポリバック苗がこれにあたる。ポット苗やポリバッグ苗は、土壌を主とする培地を用いるが、その他にピートモスを成型したピートブロック、ロックウールブロックなどがある。鉢付き苗は、易溶性や生分解性のある栽培容器に入れたまま植栽するもので、紙製のペーパーポット、ピートモス製のジフィーポット(商品名)などがある。プラグ苗は、細長い栽培容器で育成し、培地内に伸長した根系によって培地を拘束したものである。培地は、成型、非成型いずれでもいいが、砂質土など、脱落しやすいものは適さない。林業において、コンテナ苗と呼ぶ場合には、狭義にこのプラグ苗を指しており、以下そのように表記する。栽培容器は、素材上、硬質樹脂製がほとんどで、肉厚のあるものと、食品パック容器のような薄い肉厚のものがあり、また、一つ一つの育成容器(キャビティ)が独立したシングルキャビティ式のものと、多数のキャビティが一体で成型されたマルチキャビティ式(図-2)のものがある。前者のシングルキャビティは、それを多数、枠に差し込み固定して、マルチキャビティコンテナのように扱うのが普通で、通常これも含めてマルチキャビティコンテナと呼んでいる。 現在海外で見かける苗のほとんどは、裸苗のほか、ポリバッグ苗とコンテナ苗であり、日本で「ポット苗」と呼ばれている形のものを外国で利用しているのを筆者は見聞した経験がない。」
「(2)コンテナ苗の根系の変形防止/ 滑らかな内壁と平坦な底をもつ栽培容器(広義のコンテナ)で苗を育成した場合、内壁に沿って回転しながら下降する側根、底面で垂下を妨げられ底面上を蛇行する直根、内壁面に沿って回転しながら底面に達し底面の隅に沿って幾重にも回転する側根という、3つの根系の変形が生じる。第3にあげた変形は、ポットから根鉢を取り出した場合、よく目に付きやすく、広く認識されている。これらの変形は、樹種の特性に強く影響されるが、例えばマツ属の場合には、そのような苗の時の変形のまま肥大するため、植栽後太い根が幾重にも巻き付いたボール上の根塊を形成し、成育不良、風倒や根腐れの原因になる。他の樹種においても、程度の多少はあるものの、このような苗の根系の変形が長年にわたって成木に障害を及ぼす恐れがあると考えられる。筆者の植木鉢へポット苗とコンテナ苗を植栽して2成長期後に根系を比較した実験(図-4)によると、スギとヒノキのポット苗についても、このような障害の起きる恐れがあると推察される。」
▽――林業施業。


▼ドングリ3万個ずらり/宮脇名誉教授が育苗指導 :2010/10/22/函館地域ニュース by eHAKO http://www.ehako.com/news/news2010a/1951_imode_msg.shtml
「2010/10/22」「【上ノ国日本海沿岸の豊かな森づくりに活用する「ポット苗づくり」の講習会が〔2010年10月〕21日、世界的な生態学者の宮脇昭・横浜国大名誉教授を講師に迎えて、上ノ国町農業指導センターで開かれた。地域住民や桧山振興局の職員ら約150人が、3万個ものドングリやトチの実を宮脇氏が開発した新型ポットに植えた。/ 上ノ国町日本海グリーンベルト構想推進協議会(花田英一会長)の主催。町は2007年から、日本海沿岸の森林復活を目指し、カシワの苗木や種子(ドングリ)を20年計画で植える活動に取り組んでいる。構想の提唱者である工藤昇町長は「本物の植樹を学んで後世に伝える森づくりを進めてほしい」と話した。/ 宮脇さんは、国際生態学会会長などを経て、1993年から地球環境戦略研究機関(神奈川県)の国際生態学センター長を務めている。ドイツで地域の環境に根差した強い樹木を選び、植樹や種まきを進め、本物の森林の回復を図る潜在自然植生の考え方を学び、東南アジアの熱帯雨林再生プロジェクトをはじめ、世界1700カ所で5000万本もの植樹を行った実績がある。/ 宮脇さんは新たに開発〔した〕ばかりという育苗ポットの使い方を説明。ドングリに酸素や水分を供給しやすいよう設計しており、従来のポットより根の発育が進み、苗の成長を早めるほか、荒廃した土地でも根付きが良くなるという。/ 同日は町内で採取した3万個ものドングリとトチの実を用意。1万個の新型ポットに腐葉土を山盛りに詰めて3個ほどの種子を入れた。表面には稲ワラをかけて種子や新芽を保護する。ドングリは来春に芽吹きを迎え、来秋に行う植樹活動に生かす予定だ。/ 宮脇さんは「ポットは世界で初めて使うものだ。皆さんが新しい森づくりの主役になった。上ノ国から全世界に発信してほしい」と力説した。海外からとんぼ返りで講習会に駆け付けた宮脇さんは、22日には再び出国してタイや中国で植樹活動に取り組むという。/ 提供:函館新聞社
▽――「新たに開発ばかりという育苗ポット」の生産はどこが請け負っているか。自作できるのか。


▽メモ:
▼「いのちを守る森の防潮堤/森の長城プロジェクト」と宮脇昭氏の「潜在自然植生」関連まとめ一覧 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/426192
▼宮脇昭理論(「潜在自然植生」)による森づくりをめぐって。(2012年11月6日) - Togetter http://togetter.com/li/403075
▼「いのちを守るがれきを活用した緑の防潮堤構想」説明会@陸前高田市(2012年7月31日) - Togetter http://togetter.com/li/348348
▼「いのちを守る森の防潮堤」動画リンク - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2135322111035855501
▼宮脇昭(2005年) - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2135321977235666101


▼作業ノート3 - ilyaの日記 http://d.hatena.ne.jp/ilya/20121117/1353133115