ilyaのノート

いつかどこかでだれかのために。

「仙台湾南部海岸の堤防復旧におけるモデル的な植生の基盤盛土と植樹」

宮城県岩沼市。「緑の防潮堤(森の防潮堤)」問題。
Twitter / kaztsuda: なんと、ここに植樹するらしい。おいおい、マヂかよ、こんな構造 ... https://twitter.com/kaztsuda/status/343688546663686144/photo/1


▼PDF:海岸行政に係る最近の話題(2013年1月)〔国土交通省〕 http://www.jice.or.jp/jishu/t1/pdf/01_shiryou%28H25-1%29.pdf#page=17
▼PDF:海岸行政に係る最近の話題(2013年6月)〔農林水産省国土交通省〕 http://www.waki-m.jp/memory/20130606-001.pdf#page=7
▼PDF:海岸管理における課題と論点(案) http://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/kaigan/arikata_iinkai/pdf/20131010_data3-1_kaigankanri_kadai.pdf#page=8


河北新報 東北のニュース/緑の防潮堤、枯死の危機 岩沼沿岸6割が生育遅れ〔2013年11月06日〕 http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131106t11012.htm
▽「東日本大震災で被災した宮城県岩沼市沿岸部で、防潮堤に盛り土をして植樹した「緑の防潮堤」が塩害などの影響により十分に生育していないことが分かった。東北地方整備局は、枯死を防ごうと防潮堤の周囲をネットで囲い、対策を進めている。/ 緑の防潮堤は東北地方整備局が、震災の海岸復旧事業で発生した残土などを利用し整備した。同市下野郷で100メートルにわたり、防潮堤の陸側斜面に土を盛った。〔2013年〕6月下旬には住民ら約700人がシラカシタブノキなどの苗木約7400本を植樹した。/ 整備局によると、11月初め現在、6割程度が落葉し生育が遅れているようだという。9月中旬に台風18号が通過した際、樹木に海水がかかり影響が出たとみられる。/ 整備局は10月上旬、大半は根が生きており、一部は新芽も出ているため「枯れてはいない」と確認。海水の塩分が風にのって影響しているとも判断し、10月中旬に周囲を防護ネットで囲った。/ 整備局の担当者は「追肥や水まきは行わず、注意深く見守っていく」と説明する。/ 緑の防潮堤から約250メートル陸側に岩沼市が緑の防潮堤と同時期に整備した「千年希望の丘」の木々は、順調に生育している。市は「潮風を受けにくい位置だからではないか」とみている。」「2013年11月06日水曜日」


※宮脇昭批判(潜在自然植生批判):
▼緑の防波堤 - Togetter http://togetter.com/li/587080
クロマツ植栽も宮脇式も嫌いな人間が書いた、海岸緑化技術と森林遷移の話 - Togetter http://togetter.com/li/587907
▼『もういい加減、北海道で植樹イベントはやめようよ!』という話 - Togetter http://togetter.com/li/586389
▼「いのちを守る森の防潮堤/森の長城プロジェクト」と宮脇昭氏の「潜在自然植生」に関するまとめ一覧 - Togetter http://togetter.com/li/426192


※資料リンク:
▼【HP更新】海岸林再生への基本情報集〔2013年4月18日〕|東日本大震災復興 海岸林再生プロジェクト クロマツお助け隊 http://www.oisca.org/kaiganrin/661


※第8節「高木性常緑広葉樹の植栽について」が、海岸防災林への広葉樹植栽の困難を記述している。
宮城県における海岸防災林の再生に向けた取り組み〔河野裕〕:【トピックス】宮城県における海岸防災林の再生に向けた取り組み - 宮城県公式ウェブサイト http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sinrin/kaiganbousairin.html


※関連リンク
国土交通省|海岸管理のあり方検討委員会 http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/kaigankanrinoarikata/index.html
農林水産省|海岸管理のあり方検討委員会 http://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/kaigan/arikata_iinkai/index.html
林野庁東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会 http://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/kentou.html
津波と海岸林に関する調査研究事業(平成22年度調査報告書)|森林保全・管理技術研究会 http://www.hozen-ken.jp/menu/2012-01tunami-mokuzi.html
森林総合研究所 東北支所|シンポジウム|海岸林の再生に向けて〔2012年7月27日〕 http://www.ffpri.affrc.go.jp/thk/research/meeting_for_reading_research_papers_etc/sympozum/20120727.html


▼PDF:山元町震災がれきを海岸堤防復旧に活用します〔2013年10月31日〕 http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/images/49100_1.pdf
▼PDF:仙台湾南部海岸における復旧状況について http://kenmane.kensetsu-plaza.com/bookpdf/167/fa_03.pdf


▼第183回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号(平成25年5月16日(木曜日)) http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/024218320130516008.htm
▽「○後藤田〔正純〕委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。」
▽「○小田原〔潔〕委員 自民党小田原潔でございます。/ 本日は、質問の機会を賜り、まことにありがとうございます。/ 私は、東京に住んでおりましたが、三年前の参院選に落選をいたしまして、浪人中に震災に遭いました。テレビで惨状を見るにつけ、健康な成人男性が、この国難に当たり、テレビを見ているだけでいいのかという気持ちになりまして、東北自動車道が開通した翌日、単身で車を運転し、被災地に入りました。宮城県七ケ浜町でテント生活をしながら、一年超にわたり、町民の皆様とともにシャベルでヘドロをかき出し、だめになった家財道具を運び出す、そういう日々を続けておりました。/ 当時の政権与党の先生が視察に来られました。きれいな背広を着て、バッジをつけて、数分で帰られました。また、新品の、刺しゅうもまばゆい作業服を体裁程度に着たような人が見回りに来たこともありました。/ 視察に来てくれるのはありがたかったですが、バッジをつけたまま被災地を見て回ることがどれだけ被災地の人たちの心を傷つけたか。新品の作業服を着たまま避難所を訪れることがどれだけ避難所の人たちの神経を逆なでしたか。どうせ来てくれるのであれば、一時間でもいいから作業をしてほしい。どれだけ寒くて、汚くて、危険な作業であったか。一泊でいいから、避難所で、あのかたい床で毛布一枚で寝てみてほしい。そうすれば、ここまでほっておくことはなかったであろう。そういう思いで、私、小田原潔は、町民の皆様と心をともにしたい、復興を見届けたいという思いで、この委員会に入らせていただきました。/ 本日は、なかんずく、私が接した宮城県における堤防の建築に関し、質問をさせていただきたいと思います。/ まず、宮城県では、百六十三キロにわたる堤防の建設が進んでいると認識をしております。/ お手元に配りました資料のうち、最後の二枚、これは村上正邦先生の書かれたブログであります。御本人にお目にかかり、お話を伺い、了承をいただいて添付をさせていただいております。費用対効果、それから環境の保全という点から懸念を表明されています。/ ここで質問です。/ まず、この百六十三キロにわたる堤防、総コストがどれぐらいなのか。前回の当委員会では、耐用年数は五十年、保守保全をきちんとやればそれよりも長くもつということでありましたが、再度確認をさせてください。」
▽〔※略〕
▽「○足立〔敏之(国土交通省水管理・国土保全局長)〕政府参考人 七ケ浜町の海岸について御質問がございました。/ こちらにつきましては、海岸管理者である宮城県が災害の復旧を行ってございますけれども、七ケ浜海岸のうち、菖蒲田浜は、被災前の堤防高五・〇メートルに対して計画堤防高六・八メートル、それから花渕浜は、被災前の堤防高三メートルに対しまして計画堤防高六・八メートルで復旧する計画と聞いております。/ 海岸管理者でございます宮城県につきましては、七ケ浜町の広報誌等で住民の方々に事業説明会の開催を周知し、平成二十四年の十一月二十八日と承ってございますけれども、海岸堤防の復旧計画、これにつきまして地元の方々に説明したというふうに聞いてございます。/ ただ、その後、住民の皆様から、景観や環境に配慮してほしいとの要望があるというようなことも承ってございまして、現在、宮城県七ケ浜町が、公園計画や保安林、それから土地利用、町づくり計画との調整を図って、景観や環境にも配慮した整備を進めていく考えだというふうに承ってございます。/ 以上です。」
▽「○小田原委員 ありがとうございます。/ 既にコンクリートの土台をつくり、建設を始めてしまったところについては、もう仕方がないと思います。また、港湾施設についても、丈夫なものをつくらなければいけないので、仕方がないと思います。ただ、その百六十三キロにわたる沿岸を全てコンクリートで一律に堤防をつくってしまうということはとめられないのか。前回の委員会では、高橋ひなこ委員が、無堤地域の被害が非常に大きかったというお話をされました。私もそのとおりだと思いますが、本当に全部コンクリートにしなければいけないのか、この点について教えてください。」
▽「○足立政府参考人 海岸堤防の復旧についての考え方について御説明を申し上げます。/ 堤防の高さ自体は、数十年から百数十年に一度程度の頻度で発生する津波、比較的頻度の高い、いわゆるL1津波というものでございますけれども、これに対して守ることを基本として、高さを設定してございます。それを上回る東日本大震災のような津波に対しましては、巨大な堤防で守るのではなくて、避難などのソフトの施策を地域ごとの特性を踏まえて柔軟に組み合わせた、いわゆる多重防御ということで対応することといたしております。/ 一方、堤防の構造につきましてでございますが、先ほど言ったような設定でございますので、津波が海岸堤防を越えるということも想定をいたしまして、波が直接当たる側のみならず、裏のりと言っておりますが、陸地側や、天端と言っておりますけれども、上側、こういったところのコンクリートの被覆を厚くしたり、裏のり尻部に保護工を設置して洗掘を防止するなど、粘り強い構造で整備することが重要だというふうに考えてございます。/ 以上です。」
▽「○小田原委員 ありがとうございます。/ お配りいたしました資料の一枚目、二枚目をごらんください。/ 現在、折衷案として、陸側に土を盛って木を植える案があるというふうに認識をしております。外側〔内側?〕がコンクリート、内側〔外側?〕に土を盛って木を植えるということだと思うのですが、この木の根っこが、コンクリートに土の接点でしっかりと根づくものなのか、津波が来ると土の部分だけが流されて、かえって被害を大きくするだけではないのか。この一、二枚目は、「いのちを守る森の防潮堤」というアイデアでございます。必ずこれにしろというわけではないのですが、大変評価が高いアイデアというふうに認識をしております。/ コンクリートだけではなくて、瓦れきを下に埋め、盛り土をして高さの違う木を植える、こういったアイデアを採用するおつもりはないのか、教えてください。」
▽「○足立政府参考人 堤防の構造についてお答えを申し上げます。/ 海岸堤防の復旧に当たりましては、私どもの太田大臣からも、津波等に対する安全性の確保は当然のことだけれども、景観や環境にもしっかり配慮して整備を進めるように御指示をいただいておるところでございます。/ 現在、国土交通省では、直轄で仙台湾南部海岸の災害復旧、これを行ってございますけれども、大臣の指示を踏まえまして、環境、景観に配慮するために、御指摘のありました植生を活用するという横浜国立大学宮脇昭名誉教授の御提案を取り入れまして、コンクリートの海岸堤防の背後に盛り土を行いまして、そこに植樹を行う整備をモデル的に実施することといたしております。/ 根がコンクリートに届いてしまって、活着といいますけれども、ちゃんと育たないのではないかという御指摘でございましたけれども、実際に、盛り土高を調整しまして、現地でも宮脇先生からの御指導もいただきまして、樹木の成長に支障がないように実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。/ 以上です。」
▽「○小田原委員 ありがとうございます。/ この百六十三キロの堤防に関しては、村上先生のブログを見ましても、宮城県議会の全議員五十九人が反対をしたというふうに聞いております。この事実をもう少し重く受けとめた形跡というようなものがないのかどうか。また、生態系を守り、地下水の流れをとめない工夫をされているということではありましたけれども、地域の皆さんの一部には、知らないところで物すごい勢いで今までよりも高い堤防が建っているということに、やや、恐怖感とは言わないまでも、戸惑いがあるように思います。/ 今後、地域の代表や住民に対してさらなる丁寧な説明及び意見聴取の機会を設けるおつもりがあるかどうか、教えてください。」
▽「○足立政府参考人 海岸管理者である宮城県でございますけれども、それぞれの海岸において地元説明会を開催するなど、復旧計画につきまして地域住民の意見をお聞きして進めてきているというふうにお伺いはいたしております。/ また、県議会の皆さんのお話がございましたけれども、これまでも国や宮城県が意見の交換を行っておりますし、今後とも、地域の理解を得ながら、景観、環境にも配慮した復旧を進めていくというふうに聞いております。/ 国土交通省といたしましては、現地の復旧状況や課題を把握しまして、必要に応じまして、改めて海岸管理者が地域住民の意見を聞く場を設けるなど、復旧事業の実施に当たりまして、地域の意見をしっかりと反映させるように支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。」


▼CiNii 論文 -  現地レポート 仙台湾南部海岸における復旧・復興に向けた技術活用最前線 : 津波堆積土砂の活用を中心として (特集 津波防災地域づくりを支える技術の展開) http://ci.nii.ac.jp/naid/40019281496


▼PDF:「防災林の整備 :試験研究結果と事業的な取り組みの事例」(関東・中部林業試験研究機関連絡協議会 防災整備研究会)2013年2月|森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanchu/seika/201303bousairin.pdf