ilyaのノート

いつかどこかでだれかのために。

「口蹄疫」についてのノート(その三):2000年の口蹄疫について

▽2000年(平成12年)に宮崎県および北海道で発生した口蹄疫に関するwebクリップ。


▽以下に示す各種記録によると、2000年に日本で発生した口蹄疫──日本での発生は1908年(明治41年)以来、92年ぶり──では、2010年口蹄疫同様、「初発例は10頭全頭にびらんが認められたものの,牛における口蹄疫の典型的症状とはいえなかった」*1、「発熱や流涎等の臨床症状が観察されたものの、軽度で教科書に記載されているような典型的な水疱は認められていない」*2、「日本の疑似患畜の例では、鼻、口部のびらん、潰瘍に限定され、跛行(足をひきずる)などの典型的な症状を示さなかった」*3とされ、第一通報者(舛田利弘獣医師)による早期発見・通報の功績が特記されている。
▽なお、2000年以前の農林水産省家畜衛生試験場(現 動物衛生研究所)における口蹄疫に関する病性鑑定について、「これまで,口蹄疫を疑う疾病について年間数例ずつの病性鑑定を実施してきたが,その結果はすべて陰性であった」との記述がある。


▼わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点〔津田知幸, 2000年〕|動物衛生研究所*4九州支所 http://www.sat.affrc.go.jp/special_pgm/FMD_Japan_review.htm
 →▼PDF http://milky.geocities.jp/satousi1/41kyusyu.pdf
2)防疫措置について/ a.初発の届出と診断」「今回〔2000年〕の口蹄疫は開業獣医師が口蹄疫を疑って宮崎家畜保健衛生所に初発例を届け出たことに始まる。初発例は10頭全頭にびらんが認められたものの牛における口蹄疫の典型的症状とはいえなかった。しかし,この獣医師が口蹄疫を疑って届け出たことは,家畜伝染病予防法に基づく義務とはいえ賞賛に値するものであり,危機管理において専門技術者の洞察力が如何に大切かを示したものといえる。一方で,水疱性疾病については常に最悪の場合を想定して,口蹄疫を疑う必要が叫ばれていながら,清浄国〔ワクチン非接種口蹄疫清浄国〕であるために危険性の認識の低下や症状についての知識の不足などから,届け出がなされないことも想起〔想定〕される。今回のような非定型的口蹄疫の発生が早期に通報されたことは,獣医師の功績によるところがきわめて大きいと考えられるとともに,今後の農家および獣医師などの畜産関係者に対する教育が必要と思われる。」


▼プレスリリース:宮崎県の口蹄疫(疑似患畜)の発生〔2000年3月25日 農林水産省畜産局〕|動物衛生研究所 http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/miyazaki.html
 →▼PDF http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/h12_press1.pdf
「■1 発生場所/ 宮崎県宮崎市富吉に所在する肉用牛肥育農家(飼養頭数10頭) 」
「■2 確認の経過/ (1)〔2000年〕3月12日、家畜の所有者からの依頼により、民間開業獣医師が当該肥育牛を診察したところ、1頭の肥育牛に発熱、食欲不振、発咳などの症状を確認。/ (2)その後、当該獣医師は、風邪様の症状を踏まえ、通常の診療を実施してきたが、他の同居牛にも食欲不振、鼻腔内のびらんなどの症状が伝播していったことから、口蹄疫を疑い、〔9日後の3月〕21日に宮崎家畜保健衛生所に通報。同日に宮崎県畜産課を通じて通報を受けた農林水産省畜産局衛生課は、同畜産課に対して、動物の隔離、施設の消毒等の措置の実施を指示するとともに、農林水産省家畜衛生試験場に病性鑑定材料を送付することを指示。/ (3)22日、家畜衛生試験場で、口蹄疫疫ウイルスの存在の有無を確認するため、通常行われるELISA検査及びCF検査を実施したところ、陰性の結果。/ (4)しかしながら、念のため併行して実施していたPCR検査結果が23日に判明したところ、ウイルスの存在を完全に否定できなかった。このため、24日朝、国の専門家を現地に派遣して、再度検査材料を採取した。/ (5)また,別途、23日から実施していた血清検査において口蹄疫ウイルスの抗体が検出された。一方、24日から25日に再度実施したPCR検査ではウイルスの存在そのものは確認されなかった。/ 以上の結果から「口蹄疫」の疑似患畜と診断するに至った。」
「■3 当面の措置/ 家畜伝染病予防法*5及びそれに基づく防疫要領*6に基づき、/ (1)発生農場において、飼養牛全頭を殺処分、畜舎の消毒、汚染物品の焼却等を実施。/ (2)発生農場の周囲に移動制限地域を設定し、当該地域内の家畜の移動禁止、家畜市場の閉鎖等を実施。/ (3)周辺農場及び関連農場〔疫学関連農場〕の立入検査等を実施。(現在のところ、他に発生農場と同様の異常は認められない。)。/ (4)現地家畜保健衛生所、宮崎県庁及び農林水産省畜産局衛生課にそれぞれ口蹄疫防疫対策本部」を設置。/ (5)関係機関への協力を依頼/ (6)本日〔3月25日〕、畜産局衛生課及び家畜衛生試験場から専門家をそれぞれ1名を現地に派遣。 」


口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応(家畜衛試ニュース(2000年)No.103)|動物衛生研究所 http://www.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/taiou.html
 →▼PDF http://milky.geocities.jp/satousi1/40kaeisi.pdf
「■口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応(家畜衛試ニュース(2000年)No.103, P2〜7)」「海外病研究部長 難波功一/企画連絡室長 清水実嗣」
「■発生と診断の経過/ 宮崎県から牛に口蹄疫を疑う疾病が発生しているとの第一報が〔農林水産省家畜衛生試験場に〕入ったのは、平成12年〔2000年〕3月21日(火)の夕刻であった。その内容は、開業獣医師より「宮崎市の小規模な肉用牛飼養A農家で3月8日頃〔※医師の初診は3月12日〕に発熱、食欲不振、発咳、鼻や口腔内にビランなど、口蹄疫を疑う症状を示す牛が発見され、同様な症状が同居牛に拡がっている」との届け出が宮崎家畜保健衛生所にあったというものである。しかし口腔部や蹄部に水疱は観察されず、跛行も認められない〔※口蹄疫に特徴的な臨床症状がない〕とのことであった。そこで、速やかに診断用材料を海外病研究部へ送付するよう依頼した。」
「診断材料は翌〔3月〕22日に採取され、同日午後2時に海外病研究部〔家畜衛生試験場〕へ到着した。海外病研究部では、ただちに〔OIEの〕口蹄疫診断の標準法*7に基づいた抗原検出用の補体結合反応とエライザ〔ELISA〕を開始し、午後8時に両検査とも終了した。結果はいずれも陰性であったが、同時に行っていたRT-PCRによるウイルス遺伝子断片の検出が同日の深夜、またエライザによる抗体検査では翌日に陽性の成績が得られた。日本では長期間口蹄疫が発生していないことから、診断には慎重を期する必要があるため、〔翌〕23日にはRT-PCRによる遺伝子断片の検出をさらに二度繰り返し実施した。結果はいずれも陽性であった。これらの成績は〔3月〕25日に開催された〔第1回〕口蹄疫中央防疫対策本部防疫技術委員会で詳細に検討され、同農場の牛10頭を疑似患畜と診断した。わが国では92年ぶりとなる口蹄疫の発生をうけ、翌26日には疑似患畜を殺処分するとともに、発生農家を中心に半径20km以内を移動制限地域50km以内を搬出制限地域と設定し、域内の全農家について立ち入り調査と抗体検査を実施することになった。その結果、高岡町のB農家とC農家で抗体陽性牛が見つかり、それぞれ4月3日と9日に疑似患畜と診断、飼養牛の全頭(B農家9頭、C農家16頭)を殺処分した。これらの牛に臨床的異常は認められなかったが、聞き取り調査によりC農家の牛は以前に流涎等の症状を示したことが明らかにされている。」
「■今回の発生の問題/ 今回の発生で最大の問題は、原因ウイルスの病原性や伝播力が弱かったことである。B農家とC農家の発生では発熱や流涎等の臨床症状が観察されたものの、軽度で教科書に記載されているような典型的な水疱は認められていないC農家とD農場では、口蹄疫を疑う症状はまったく報告されていない。また、制限地域内や疫学関連農家*8の抗体調査結果からも、伝播力の弱いことが推定される。そのため、防疫対策の基本となっている臨床症状の観察を主体とした従来の浸潤度調査が困難となり、抗体検査に重点を置いた調査法を採用せざるを得なかった。」──この問題については、前掲「わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点」(津田知幸, 2000年)の「2. 日本に発生した口蹄疫の特徴と付随する問題」にまとめがある。
第二の問題は感染源である。現在までに〔口蹄疫ウイルスの〕侵入経路として、稲藁や麦藁、羊草等の輸入粗飼料、中国からの黄砂等による空気伝播、輸入畜産物による伝播等が指摘されている。しかし、〔2000年現在〕結論は得られていない。今までに250kmを越える空気伝播は知られておらず、中国大陸からの距離を勘案すると空気伝播は考え難い。また、口蹄疫ウイルスは乾燥で容易に不活化されるため、黄砂に付着したウイルスが日本到着時まで活性を保つ可能性はほとんどない。このように、現在のところ消去法によって輸入粗飼料が感染源候補として残されている。しかし膨大な輸入粗飼料から直接ウイルスを分離することは技術的に困難であり、侵入経路については結論が得られていない。疫学調査による感染源の解明、また感染源として疑われている輸入粗飼料に関わるリスクアセスメントの確立が今後の重要課題となろう。」
「今回の発生では、行政をはじめ生産者、各種団体、獣医師、検査機関、試験研究機関等がそれぞれの立場で最善を尽くし、わが国を早期に清浄化へと導くことができた。今回の業績に対する評価は関係者全員に帰すべきものであるが、特記すべき功績を一つ指摘するとすれば、最初に口蹄疫を疑う症例を発見し、家畜保健衛生所に届け出た獣医師の慧眼をあげることができる。氏の発見と届け出がなければ、症状が軽微だけに誰も知らない間にじわじわと多くの地域に広がった可能性を否定できない。このことを思うと、今でも背筋に寒いものを感じる。」


▼日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応(家畜衛生試験場口蹄疫対策本部)|動物衛生研究所 http://www.niah.affrc.go.jp/publication/kenpo/2001/108-6.pdf
 →▼PDF http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/naro-se/ani108-6.pdf
「■「日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応」/家畜衛生試験場口蹄疫対策本部」「(平成13年〔2001年〕8月22日 受付)」「動物衛生研究所 第108号, 39-79(平成14年3月)/Bull. Natl. Inst. Anim. Health No.108, 39-79 (March 2002)」
「■口蹄疫防圧のための組織態勢とその活動」「2.2000年3月,「口蹄疫を疑う疾病」の発生/ 海外病研究部農林水産省家畜衛生試験場〕においてこれまで,口蹄疫を疑う疾病について年間数例ずつの病性鑑定を実施してきたが,その結果はすべて陰性であった。/ 2000年3月21日,宮崎県より「口蹄疫を疑う疾病が発生」の第一報を受けると直ちに緊急病性鑑定業務を開始した。OIE〔国際獣疫事務局〕の口蹄疫診断の標準法マニュアルに基づき,搬入された病性鑑定材料について,補体結合反応とELISA法による抗原検出および組織培養細胞と乳のみマウスを用いたウイルス分離試験を実施した。これらの検査結果はすべて陰性であったが,同時に実施したRTPCRによる遺伝子断片の検出および血清における抗体検出ELISAが陽性反応を示した。/ 家畜衛試〔家畜衛生試験場〕は,これらの病性鑑定成績をもって,OIEが定めた口蹄疫診断マニュアル(国際標準法)にしたがって,口蹄疫ウイルスによる感染と判断した。/ さらに,これらの成績は,3月25日に開催された第1回口蹄疫中央防疫対策本部の防疫技術委員会に提出され,総合判定の結果,「口蹄疫疑似患畜の発生」として確認された。」
「■口蹄疫の緊急病性鑑定」「2.病性鑑定材料リストと診断結果/ 〔宮崎県からの第一報以降〕2000年3月〜同年11月まで,海外病研究部で実施した口蹄疫を疑う病性鑑定の件数は38件で,プロバング材料を加えると約200検体を越えている。その多くが深夜便で海外病研究部に搬入されるため,病性鑑定の多くは夜を徹しての作業となった。口蹄疫の診断は緊急を要するものではあるが,7日間にもおよぶ連続勤務に加えてこの半年間で40日以上にわたる徹夜勤務は,肉体的な限界をはるかに超えていたと言わざるを得ない。/ このような過剰労働は,いつなんどき診断時における人為的なミスにも繋がりかねないことから,今後は病性鑑定材料の受け入れ体制の確立にはより綿密な配慮が求められる。」
4.一連の緊急病性鑑定に取り組む中での問題点」「2)実験室内病性鑑定に際して」「(4)口蹄疫の病原体を扱う研究は,これまで日本では認められていなかった口蹄疫に関する研究課題や海外病で実施される研究課題はすべて行政部局関係並びに外部学識経験者等の参加のもと海外病研究安全委員会によって安全面での検討を受けなければならない。/ 国内では,高度封じ込め実験施設*9を整備していたが,畜産業における口蹄疫などの疾病の重要性〔危険性〕を鑑みて,行政的視点から実際に口蹄疫ウイルスを扱う研究は国として承認されてこなかった。そのため,ウイルスを直接扱う研究は,国外での共同研究,JICAの技術協力,実証試験などの形態をとりながら研究を進めてきた。地球規模の拡がりをみせる新しいウイルスの出現に技術面でも適切に対処するため,今後とも海外の研究機関との連携協力を継続するとともに,将来的には標準的ウイルスの導入による防除技術の高度化を目指す研究を強化すべきだと考えられる。」 ──2000年以前の口蹄疫ウイルス研究の限界については、山内一也「人獣共通感染症 第96回 宮崎で発生した口蹄疫」(2000/04/19)の「5. 診断体制」に言及がある。
「■あとがき/ わが国における92年ぶりの口蹄疫の発生,終息そして清浄化宣言からすでに1年が経過しようとしている。日本は,幸いなことに発生後3ヶ月〔※「6ヶ月」の誤り〕で「ワクチン非接種口蹄疫清浄国」という最高の清浄度を持つ国に再び復帰することができた。このことは,ひとえに国,地方自治体をはじめ,獣医,畜産関係者が一丸となって,口蹄疫の防疫対応にすばやく取り組んだ結果にほかならない。さらに,感染試験の成績に示したように,発生した口蹄疫ウイルスの伝播力が,近隣諸国のそれと比べ,弱かったことも幸いしたと言えよう。」


▼「別添資料2−2」「家畜防疫関係者の皆さまへ ─再び口蹄疫清浄国に復帰して─」「平成12年〔2000年〕9月27日/家畜衛生試験場長 寺門誠致」(p. 63)
「本年〔2000年〕3月25日に宮崎県宮崎市の肉用牛飼育農家において,92年ぶりに口蹄疫の発生が確認されて以来,6月9日の北海道本別町を中心とする移動制限地域の解除まで,国,県,市町村,生産者,民間団体等の畜産関係者は本病との闘いで「震撼の76日間」を送ることとなりました。最終的には1道1県,4農家での発生の確認患畜22頭,疑似患畜718頭,合計740頭の殺処分236,531戸にのぼる農家での臨床検査52,894頭分の血清検査輸入飼料を含めた疫源に関する疫学調査等が実施されました。/ その間,農林水産省畜産局衛生課をはじめ全国の家畜防疫関係者は一致団結し,見えない敵との戦いに全力をつくしてきました。わが家畜衛生試験場でも不眠不休の海外病研究部を中心に全場的に対応してきましたが,その詳細は「家畜衛試ニュース」No.103〔収載の「口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応」?〕に報告されているとおりです。」
「さて,ここで皆さんにうれしいニュースをお知らせいたします。それは〔2000年〕6月9日の北海道での終息宣言から3ケ月が経過したわけですが,その間新たな発生がなく,また今回の発生時には蔓延防止のためのワクチンを使いませんでした。そこで,畜産局衛生課〔農林水産省〕は国際獣疫事務局(OIE)に対して日本における口蹄疫清浄化復帰を宣言し,日本時間の昨晩(〔2000年〕9月26日)OIEの口蹄疫委員会からもその認定〔ワクチン非接種口蹄疫清浄国〕をかちとることができたとのことです。発生以来半年といった短期間での清浄化が達成できました。これは世界的にみても快挙であり,オリンピックならさしずめ金メダルといえるでしょう。わが家畜衛生関係者にとって誇るべき防疫活動の結果を皆さんに報告し,喜びを分かち合いたいと思います。/ ただよく考えてみると,今回の発生伝染力の弱い口蹄疫ウイルスによるものでしたし,豚の世界に侵入しなかったことなど,かなりラッキーな事柄が重なっていたことも事実です。いっぽう,依然として世界的なグローバル化が進展するなかにあって,今後も新たにウイルスが再侵入してくる可能性は否定できません」


▼(法定;海外悪性伝性病)口蹄疫|豚の病気の病原体|豚さんのペ−ジ http://www.sysken.or.jp/Ushijima/swinepage/dis1.html#anchor75909
「■口蹄疫/ 1.学名:口蹄疫ウイルス(Foot-and-Mouth disease virus)/ 2.生物学的特徴 〔※略〕」 「3.被害発生/ 1997年の時点で、長年口蹄疫の発生のない国は、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドアメリカ、カナダ、スウェーデンノルウェー及びその他の数カ国にすぎない。しかし、わが国でも2000年3月25日宮崎県の和牛肥育農家で口蹄疫”疑似患畜”が確認された。また韓国でも3月20日に乳牛に口蹄疫が発生したことが報告された。/ --->2000年3月わが国の口蹄疫発生第一発見者、舛田利弘獣医師に畜産関係者として厚くお礼申し上げます(報道1〔南日本新聞〕、報道2〔読売新聞〕)。」
4.防除法/ 臨床症状は、診断の重要な決め手になるが、日本の疑似患畜の例では、鼻、口部のびらん、潰瘍に限定され跛行(足をひきずる)などの典型的な症状を示さなかった。病原学的診断はウイルス抗原をELISAやCF法で検出し、またウイルス分離を行う。また補助的診断法として、RT-PCR法でウイルス遺伝子を検出する。抗体は液層競合ELISA法で検出する。防除には、わが国のような口蹄疫清浄国では感染動物摘発淘汰〔殺処分〕がまず第一の選択である。不活化ワクチンも海外で開発されているが、その使用法は限定的に行わなければならない。本病に治療法はない。本病が発生した場合、「海外悪性伝染病防疫要領」〔に〕基づいて防疫が実行される。」


▽上掲記事類で賞讃されている第一発見者・通報者となった獣医師は、口蹄疫終熄後に農林水産大臣からの感謝状、日本獣医師会からの表彰状を受けている。なお、当該の獣医師は口蹄疫発生当時、畜産農家関係者などから相当に強い非難を受けた様子が窺える。
▼疫学情報_00_06〔2000年6月27日〕|獣医疫学情報|横浜市獣医師会 http://www.mmjp.or.jp/yokojyuu/news/ekigaku/ekigaku_00_06.html
「差出人 : 獣医疫学会 <********@t3.rim.or.jp>/宛先 : ML 獣医疫学会 <*********@t3.rim.or.jp>/日時 : 2000年6月27日 22:09/件名 : 獣医疫学情報」
「獣医疫学会」「● 口蹄疫を通報した宮崎県の獣医師に農水大臣の感謝状/ 農林水産省、〔2000年6月〕23日、口蹄疫を最初に診断し、通報した宮崎県在住の獣医師、舛田利弘先生(56才)に大臣感謝状を贈った。/ 舛田先生の冷静な判断と的確な初動措置により、口蹄疫のまん延を最小限にくい止めることに成功したことが評価された。/ 農家から舛田先生への第一報は「風邪」であったが、畜舎すべての牛に伝播するに至り、口蹄疫を疑い、家畜保健衛生所に通報した。/ しかし、92年ぶりの口蹄疫発見の裏には、殺処分を恐れる農家の心情と事の重大性の狭間で葛藤もあった。/ また、通報後は、さまざまな風評が乱れ、八つ当たりする農業関係者もおり、ついには体調を崩して入院診療所も廃業寸前にまで追い込まれた。/ 舛田先生は、「日本から口蹄疫がなくなり、本当にうれしい」と胸のうちを短い言葉にこめた。/ (関連情報)/・日本農業新聞(〔2000年〕6月24日)」
▼獣医疫学会 =TOP= of JSVE http://www.vet-epidemiol.jp/


日本獣医師会からの表彰について、次の記述がある。
▼会報〔日本獣医師会会報 第59巻第4号 平成18年(2006)〕|日本獣医師会 http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05904/06_4b.htm
「■「私の歩んだ日本獣医師会の24年と今後の期待(IV)」/ 五十嵐幸男(日本獣医師会顧問・埼玉県獣医師会会員)」
「平成12年(2000年)」「〔2000年〕6月23日,〔日本獣医師会〕第57回通常総会明治記念館において開催.五十嵐〔幸男〕会長より有珠山の噴火,宮崎,北海道の口蹄疫発生と二度災難があったが関係者の努力,宮崎の口蹄疫初動防疫の徹底により短期間に終息宣言が出され国際的評価も高かった.今後も有事の対応が敏速的確に実施されることを期すと述べた.来賓挨拶として農水省永村審議官,中瀬中畜〔(社)中央畜産会〕副会長,土井日獣学会〔日本獣医学会〕理事長からいただき,次いで宮崎県下で口蹄疫牛を早期発見し,迅速に家保〔宮崎家畜保健衛生所〕に届出を行ったことによりまん延を最小限の阻止に努める等,初診での対応による顕著な功績のあった宮崎県獣〔宮崎県獣医師会〕の舛田利弘先生に〔日本獣医師会〕会長表彰状を贈呈した.舛田先生は一時心ない者から,批判的な言動を受けたため,山元会長〔※杉山(文男)元会長の誤植?〕から〔舛田氏宛てに〕激励電報を発信してほしいとの連絡をいただいたことも忘れられない.この山元会長〔杉山元会長?〕も産業動物界に大きい業績を示しておられたが平成16年〔2004年〕10月20日往診先で難産牛介助直後,逝去され,壮烈な戦死を思わせる様な最期であった.謹んで哀悼の誠を捧げたい./ なお,宮崎及び北海道に発生した当時の口蹄疫の対応記事は本誌〔「日本獣医師会雑誌」〕第53巻第12号に宮崎県における口蹄疫の発生(鬼丸利久氏〔「宮崎県における口蹄疫の発生とNOSAIの対応」〕)と第54巻第1号に本別町〔北海道〕の対応(有坂孟弘氏〔「北海道本別町に発生した口蹄疫NOSAIの対応について」〕)を参考とし,さらに有珠山噴火災害対応(佐藤時則氏)に関する記事は第54巻第2号の報告を参考とされたい.」
日本獣医師会雑誌 : 日本獣医師会会報 第59巻 平成18年(2006)総目次 http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05912/06_18.htm


▽第一発見者の獣医師が表彰された背景には、獣医師界の表彰嘆願運動もあったとされる。
▼ハンターと口蹄疫 その5〔2010/5/17〕|えぇ!? 獣医さんが鉄砲持つってヤバくない? http://blogs.yahoo.co.jp/vetend/61341180.html
「いまから10年前〔2000年〕、口蹄疫を一番初めに発見したのも宮崎県の獣医さんでした。/わたしはその獣医さんとは知り合いでもないし、名前もわかりません。/しかしわたしたち獣医師には口伝えで受け継がれているエピソードがあります。/ 10年前の口蹄疫発生は、今ほど家畜の飼養密集地帯ではありませんでした。/それゆえ〔約〕90年ぶりの国内発生であったにもかかわらずウイルスの封じ込みに成功することができました。/しかし、全国のスーパーや買い付けブローカーは購買者の立場から宮崎産をリスクとしてとらえました。/それが宮崎産を襲った風評被害です。/ 第一発見者の獣医さん宅には、夜ごと電話が鳴り響きました。/「よけいな病気をみつけやがって」/「宮崎を地におとしやがって」/「ほっときゃ誰も気付かなかった」/電話番をしていた奥さんは、丁寧に対応しましたが、ついに入院してしまったそうです。」
我々獣医師は、嘆願書に名前を書きその第一発見の勇気と行動をたたえて表彰してもらえるよう働きかけました。たしか、大臣よりじきじきに表彰を受けたのではなかったかと記憶しています。〔※2000年6月23日、農林水産大臣感謝状贈呈。〕/しかし、それを祝福するパーティまで開催された記憶まではありません。/ 今回〔2010年〕、〔口蹄疫の〕第一発見者となった獣医さんも、当然このつらいエピソードを知ってると思います。/しかしあえて第一発見者として名乗りをあげ即座に家畜保健衛生所の立会いを実行しています。/(それを先日の〔TV番組〕サンデーモーニングは獣医師の初動が悪いなどとサラリとコメントしやがって!)/いま、今回の口蹄疫発見において、もう誰もその獣医さんに「知らんぷりすればよかったのに」などと言う人はいないと思います。/口蹄疫が、これほどまでに恐ろしい病気だと身体の芯から理解したからだと思います。」
「〔2010年の〕今こそ宮崎にこの身体をささげて助けるべきときだと、この心が鳴り響いています。/ここで行かなければ、一生後悔すると、本能が言ってきます。/毎日、牛の診療で呼ばれ、牛をさすり、豚の鼻柱をなでているありがたい生活を、この濃厚に地元の家畜と接触している密着型の生活を捨ててでも行くべきなのではと、想いがよぎります。/ わたしは師匠や周囲の獣医師や本当に心から付き合いをしている農家さんにこの数日説得を試みました。/「せんせい、すみません。オラ、先生が宮崎に行ったら3年は往診依頼ださねぇよ。怖いから」/「先生、先生はいい人だよ。でもどうしても行くなら帰ってこないで。」/「やめろ。お前はあまりにも地元の家畜に密着しすぎている。そういう獣医はそこを守るのが使命だ。」/ まるで、10年前の第一発見した獣医さんと同じ受難が待ち受けているようではないか!/ちくしょう!/ちくしょう!/一体、なにが善でなにが悪なんだ!?」
▽コメント欄──BSE牛海綿状脳症狂牛病)〕では、1例目を確認した、行政獣医師が命を絶たれていますし〔※自死されたケースがある。2002年。後掲記事参照〕。これ〔早期発見、通報〕は、賞賛に値することなのですが、日本からは出ない、わが県からは出ない。いろいろ有った事と聞き及んでいます。/ 報道規制ができるならすべきです。サンデーモーニング毎日新聞社説の無知を野放図に広げるよりはましです。〔後略〕 2010/5/18(火) 午前 9:26[ おみぞ ]」


▼ニュース探究ラジオ Dig 5/25 part2, Recorded on 2010/05/26 videonews.com on USTREAM http://www.ustream.tv/recorded/7199833
遠藤秀紀東京大学総合研究博物館教授。博士(獣医学)。比較形態学・遺体科学専攻。東京大学農学部獣医学科卒、同大学院農学系研究科獣医学専攻博士課程中退)の発言。
▽00:12:24あたり──「そもそも口蹄疫っていうのは恐ろしい相手なんです。なかなか人間の側が勝てない相手なんですね。で、たまたま700頭の殺処分で終わった10年前〔2000年〕というのがですね、そっち〔口蹄疫制圧〕も早かったでしょうし、90年ぶりに、つまり獣医としては見ることはほとんどないわけですよねそれを見て発見したっていう獣医は、これは、本当に賞讃に値すると思います


狂牛病検査の獣医が自殺〔2002/05/14〕|報道にみるー苦悩の現場|マインドフルネス総合研究所 http://mindfulness.jp/kunou/fl-isha/kyougyubyo.htm
朝日新聞、5/14/2002」「狂牛病検査の獣医が自殺/ 国内四頭目狂牛病(BSE)がみつかった。/その前に目視などの検査をした女性獣医(29歳)が自殺。「〔BSE牛を〕見逃したのは、獣医師として許されない行為」というメモが残されていた。/ ・〔2002年5月〕11日、北海道のある町で飼育されていた牛が狂牛病(BSE)に感染していたことが確認された。/ ・その前の〔5月〕10日、その牛が食肉処理場に運ばれた際に、その医師は、目視などの検査を担当した。左前脚に神経症状があったが、BSEとは判断しなかった。牛は隔離された後、食肉処理に回された。/ ・〔5月〕12日、医師が自殺。/ ・「道庁などによると、隔離されたことで感染牛の各部位が残り、今後のBSE研究に役立つ結果になったという。」「病理検査に回した方がよかったと思い悩んだのではないか。検査は適切で、本当に残念だ。」」
▼BSE判定できなかった獣医師が自殺。 北海道〔2002-05-13〕|街の灯 http://matinoakari.net/news/na/item_38589.html
「国内4頭目のBSEと確認された北海道音別町産の乳牛の生体検査を行った釧路保健所食肉検査係の女性獣医師(29)が自殺。室内に「BSEと判定できなかったことに責任を感じている」などという内容の走り書きが残されていたという。獣医師は昨年〔2001年〕10月から全頭検査で食肉処理場に運ばれてくる牛を、最初に目で見て異常の有無を判断する生体検査の仕事に携わっていたという。〔2002年5月〕10日、今回BSEが確認された牛の歩行が乱れているのに気づいたが、通常のルートで食肉処理した後、同保健所のエライザ〔ELISA〕法検査(1次検査)に回した。翌11日に2次検査で感染が判明。12日に獣医師が出勤しないため、同僚が自宅を訪ね、首をつっているのを発見。道保健福祉部の幹部は「国内でBSEの症状をひと目で見抜ける獣医師などおらず、仕事に何のミスもなかった。現場の重圧を理解してほしい」と語ったそうだ。」──報道記事の転載と思われるが出所不詳。


櫻井よしこ ブログ!|「 アマチュアとプロフェッショナル 」〔2002.01.17〕 http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2002/01/17/post_214/
「■『週刊新潮』 2002年1月24日号/日本ルネッサンス 第3回」
「だがこんな日本政府の対応は初めてではない。2000年に、92年ぶりの発生をみた口蹄疫の時も、同じあやまちの構造の中で、事は推移した。/ 2000年3月に宮崎市東部の富吉地区で、珍しい症状の牛を獣医師がみつけた。約10日ほどの観察ののち、彼は口蹄疫を疑い家畜保健衛生所(家保)に報告した。彼の診断は正しく、牛たちは口蹄疫ウイルスに罹っていることが判明し同牧場の全頭が直ちに殺処分された。〔※略〕/ 正確に診断した獣医の早い動きによって、このときの口蹄疫は、その後、北海道の牧場で発生しただけで終わった。本来なら、この獣医師、舛田利弘氏は大いに感謝されて然るべきだ。しかし、家保はなんと舛田氏を事実上封じ込めたのだ。家畜の診療をやめて平たくいえば自宅蟄居(ちっきょ)せよということだ。彼に対しては「余計なことをした」「黙っていればよいものを」という類いの非難が集中し、診療も制限され収入も激減した。/ また、口蹄疫のウイルスの感染経路も調査されなかった。複数の普及員は中国産のワラが原因としか思えない、このままでは、再び日本に口蹄疫ウイルスが入ってくると警告するが、農水省厚生労働省も、「感染源が特定されないことは大きな問題か」と述べた武部農水大臣と同じメンタリティで、感染源の特定も結果としてできず、また、しなかった。/ 全てが同じ精神構造なのだ。」

▽初発例の牛が「珍しい症状」だったとする根拠は何か。(※上掲各種資料参照。)
▽感染経路が判明しなかった、ではなく「調査されなかった」とは何に基づく断言か。(※上掲各種資料参照。)
▽さらに「自宅蟄居」云々についても、ほぼ間違いなく悪質な誤誘導、フレームアップの類。書き手の欲望がいかに現実を歪めるか。
▽「自宅蟄居」は、実際は防疫のための隔離であろう。なお、農林水産省の発する「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」*10には以下の規定が見える。──第2 防疫措置/ 1 異常家畜の発見の通報から病性決定までの措置」「(2)家畜防疫員及び家畜保健衛生所の措置/ 家畜防疫員及び家畜保健衛生所は、家畜の所有者、獣医師等から異常畜を発見した旨の通報があった場合には、次に掲げる〔ア〜キの〕対応を行う。また、法〔家畜伝染病予防法〕第5条、第31条又は第51条の規定に基づく検査時に家畜防疫員が異常畜を発見した場合にあっても、これに準じて措置する。」「 家畜防疫員は、通報があったときは、当該通報に係る事項をあらかじめ定めた様式の調書に正確に記録し、緊急的な措置について次に掲げる指導等を行うとともに、家畜の所有者等に対し、現地到着予定時刻を連絡する。/〔略〕/ (イ)異常畜を診断し、又は検案した獣医師に対する指導・依頼事項/ a 〔当該獣医師は〕家畜防疫員の現地到着まで当該農場にとどまり、(ア)〔異常畜の所有者に対する指導事項〕の事項が遵守されるよう助言し、及び指導すること。/ b 当該農場を去る前に、身体、衣服、眼鏡その他の携行用具の消毒並びに車両の洗浄及び消毒を行い、直ちに帰宅するとともに、帰宅後は、更に車両、携行用具、衣服等の完全な消毒を行い、入浴して身体を十分に洗うこと。/ c 異常畜が本病でないと判明するまでは偶蹄類の動物と接触しないこと。なお、本病と判明した場合は異常畜を診断し、又は検案した後7日間は偶蹄類の動物と接触しないこと。」


 →▼基礎資料リンク集:「口蹄疫」(2010年)|ilyaの日記 http://d.hatena.ne.jp/ilya/20100529/1275117290

*1:津田知幸「わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点」(2000年)。

*2:難波功一, 清水実嗣「口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応」(「家畜衛試ニュース」No.103(2000年))。

*3:→▼豚さんのペ−ジ(牛島稔太)|豚の病気の病原体|口蹄疫 https://web.archive.org/web/20080406175733/http://www.sysken.or.jp/Ushijima/swinepage/dis1.html

*4:「動物衛生研究所」。「動物衛生研究所(どうぶつえいせいけんきゅうじょ、National Institute of Animal Health = NIAH)は、獣医学の産業動物分野の研究開発・研修・鑑定などを行う日本の公設研究機関。略称:動衛研(どうえいけん)。かつては農林水産省家畜衛生試験場という名称であったが、現在は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に所属する研究所の一つとなっている。」 →▼動物衛生研究所 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E8%A1%9B%E7%94%9F%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80

*5:家畜伝染病予防法」。 →▼家畜伝染病予防法(昭和二十六年五月三十一日法律第百六十六号)|e-Gov http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO166.html

*6:「防疫要領」。「海外悪性伝染病防疫要領」(昭和50年9月16日付け50畜A第3483号農林水産省畜産局長通知)を指す。2000年の口蹄疫発生を経て、2002年7月に「口蹄疫防疫要領」が作成、通知された(それに伴い海外悪性伝染病防疫要領は廃止された)。 →▼日本獣医師会雑誌|口蹄疫防疫要領の制定について(平成14年7月12日) http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05509/06_9.htm

*7:口蹄疫診断の標準法」。OIE(国際獣疫事務局)の定める口蹄疫診断マニュアルを指す。後掲記事参看。

*8:「疫学関連農家」。飼料銘柄の共通や家畜の移動など疫学的な関連が想定される畜産農家をいう。各種リリースには、「関連農場」「疫学関連農場」等の呼称でも現れる。

*9:「高度封じ込め実験施設」。バイオセーフティーレベルの高い実験室、実験施設。 →▼バイオセーフティーレベル - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB

*10:口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」。 →▼特定家畜伝染病防疫指針について|農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_bousi/