ilyaのノート

いつかどこかでだれかのために。

BLイデオロギーと宮下キツネ

▼一日一やおい|宮下キツネ「少年料理法」 吉本たいまつ http://taimatsu.cocolog-nifty.com/1yaoi/2007/08/post_1d9b.html
「宮下キツネの作品は、無意識と無自覚にあふれており、政治的には正しくない部分も持っています。やおいの政治性をめぐる議論においては、最大の敵になる作家でしょうね。ですがそのドライブ感、スピード感、「男を消費して何が悪いの?」という開き直りは、男性を解放する可能性も持っています。そこで私が言いたいことは…「もっとやれ!」ということです。かわいければいい? その通り! 男の子はどんどんかわいくなればいいんです。やおい性が足りない? 問題なし! やおい性なんてなくたっていいんです。ガンガン描くことで、やおいや男性向け表現をめぐる「かくあらねばならない」という暗黙の制約に風穴が空いていくんです。やおいの表現が揺れれば揺れるほど、新たな表現の可能性が生まれるのです。宮下キツネは、やおい界に現れた最大のトリックスターといえるでしょう。まさに大注目の作家です。」


▽宮下キツネ作品の革新性、その可能性を的確に捉えた論評として話題にのぼったエントリー。論者(吉本たいまつ)のバランス感覚、理性と生理のせめぎあいがよく演出されている。面白い「と言わざるをえない」作品としての宮下キツネ。
▽しかし、はたして宮下キツネは、本当に、あるいはどこまで「無意識」「無自覚」なのだろうか? 宮下キツネ作品と男性向けショタ作品の差違や如何。男性向ショタの市場規模如何。またやおい/BLとの接続性如何。


▽デビュー作『ストップ!ご主人様』のレビューは次のURI
 →▼宮下キツネ「ストップ! ご主人様」〔2006年3月20日〕: 一日一やおい http://taimatsu.cocolog-nifty.com/1yaoi/2006/03/__93c1.html